社会貢献活動

地域における公益的な取り組みにつきましては、改正社会福祉法に「日常生活又は社会生活上の支援を必要とするものに対して、無料又は低額な料金で、福祉サービスを積極的に提供するように努めなければならない」という新たな条文(第24条2項)が入りました。
元々、救護施設は、長い歴史の中で、その時代その地域で最も光の当たらない人々のために支援の手をさし伸べて来た施設であり、この分野は、最も得意とする分野であり、専門的な支援機能も有しております。
真和館の場合は、その上にアルコール依存症や精神障がいに強いといった特色を持った施設です。
そこで、社会福祉法人致知会においては、地域社会に貢献する取り組みとして①アルコール依存症に対する相談・支援、②生活困窮者等に対する相談・支援
③生活困窮者等に対する無料又は低額での宿泊支援を致知会の定款に謳っています。
そして、この取り組みを広く地域社会のみなさまへ知って頂くため、平成30年度に、両施設の正面玄関やホームページに「お酒の悩みごと相談所」「福祉の困りごと相談所」の看板を掲げ、次の事業に取り組んでいます。

  • アルコール依存症への取り組み

①お酒の悩みごと相談
アルコール依存症は、否認の病気ゆえに相談に結び付けるのが、なかなか困難でありますが、放っておけば、本人の状態は日々深刻化するばかりであります。そこで、本人・家族・関係機関などからお酒にまつわる相談を幅広く受け付けます。

②お酒に関する出前講座
民生委員、アルコール関連団体、企業、保健指導機関、学校等が開催されるお酒に関する講演会や研修会に無料で講師を派遣します。

③エスバーツ(SBIRTS)の推進
アルコールのスクリーニングテストを実施し、問題飲酒者には簡易介入を行い、依存症の疑いがあれば専門医に繋ぎ、そこから、自助グループに繋ぐことにより、アルコール依存症から回復して行く一連の方式をエスバーツと言います。そこで、1日も早くアルコール依存症者が専門治療や自助グループに繋がり、アルコール依存症からの回復に向けた取り組みをして頂くよう当事者及びご家族の支援をして行きます。
なお、公的機関等でアウトリーチを計画され、公的機関の人材のみでは、支援が困難な場合は、致知会職員を派遣し、アルコール専門病院や自助グループへ繋ぐお手伝いをさせて頂きます。

④アルコールに関する地域セミナーの開催
アルコールに関する理解の促進を図るために、平成31年3月19日に阿蘇市の民生委員や区長を始めとして地域の方々や当事者、さらには、阿蘇地域の行政・公的機関の支援者の方に対して、「アルコール依存症を理解する・支える」と題して第1回地域セミナーを開催しました。また令和元年11月27日に第2回地域セミナーを開催しましたが、令和2年初に広がった新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、令和2年度の開催は中止となりました。その後、集合形式ではなく、webを利用した地域セミナーを第3回(令和3年12月4日)、第4回(令和4年12月3日)、第5回(令和5年11月25日)と開催し、令和6年度は令和6年11月30日に第6回地域セミナーを開催致しました。
今後も「熊本県アルコール健康障害推進計画」との連携・調整を図りながら、アルコールに関する地域セミナーを開催し、地域のアルコール関連問題の解決に資する取り組みをして参ります。

⑤アルコール依存症者支援手法研修会
近年、福祉施設においても、入所者の中にかなりのアルコール依存症者がおられ、その処遇に困惑されている施設も少なくありません。そこで、真和館が持っているアルコール依存症者に対する処遇の技術やノウハウを広く公開するために、「アルコール依存症者支援手法研修会」を希望される施設に対し実施いたします。

  • 生活困窮者の支援

①福祉の困りごと相談
福祉に関する様々な相談、施設入所や通所に関する相談を受けます。

②無料・低額宿泊の受入れ
生活困窮者に対して、福祉事務所から依頼が有れば、短期間ではありますが、無料又は低額で宿泊と食事を提供します。

③生活困窮者認定就労訓練事業
自立相談支援機関(市町村等)のあっせんに応じ、就労に困難を抱える生活困窮者に生活困窮者自立支援法に基づき、就労の機会(非雇用型)を提供する事業である「生活困窮者認定就労訓練事業」の認定を熊本県から平成31年2月1日付けで熊本県第1号として真和館、熊本県第2号としてあそ上寿園が頂きました。 あっせんがあれば法人本部の負担で、本事業に積極的に取り組んで参ります。



令和という新しい時代が始まるにあたり、社会福祉法人致知会の役職員が、さらに精進努力をし、繁栄をして行くために、
「社会福祉法人致知会基本理念」を定めました。

「社会福祉法人致知会基本理念」

致知会は社会福祉法人である。
社会福祉法人であるからには、

一 社会福祉事業の主たる担い手として、世のため・人のためになる事業(社会貢献)をしなければならない。

二 提供するサービスは、創意と工夫を凝らした質の高いもので、利用(入所)希望者や関係者から選ばれるものでなければならない

三 経営は、透明性が高く、利用者(入所者)・職員・利害関係者から信頼されるものでなければならない。

以上のつとめを果たすことにより、社会福祉法人致知会と職員は、永遠に繁栄する。


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